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音源紹介(PICK UP) (2019年)

2019年に歴史的音源トップページの音源紹介欄に掲載した記事を載せています。

”国立国会図書館/歴史的音源配信参加館内公開音源”は、国立国会図書館および配信参加館で聴くことができます。     (※ただし音源の公開範囲は変更されている場合があります。)

寄席の風景

寄席の風景

 

古典落語を代表する前座噺の一つ。この噺の軸となるのは「寿限無(めでたいこと・命が限り無いの意)」「藪柑子(正月の縁起物とされる木の名称)」などの縁起のよい言葉を並べた、非常に長い名前である。我が子の幸せを願う親心が込められた名前であるのだが、この長すぎる名前のために起こる騒動が聴衆の笑いを誘う。
2代目立花家花橘はその非常にはっきりした口調が好まれ、生涯で多くのレコードに吹込みを行った。この音源でも「寿限無寿限無…」から始まる子供の名前が、軽快かつ明瞭な語り口で繰り返されている。 (2019年12月13日掲載)

葦原邦子

葦原邦子

『壮烈貴志中尉の歌』  歌:葦原邦子・月影笙子
※国立国会図書館/歴史的音源配信参加館内公開音源※
 

東京宝塚劇場で公演された軍国レビュー、「南京爆撃隊」の主題歌。貴志中尉とは、第二次上海事変で戦死した、上海特別陸戦隊の貴志金吾を指す。海軍省軍事普及部(海軍のプロパガンダ担当部署)には松島慶三という文化に明るい軍人がおり、とりわけ少女歌劇にはみずから原作を書くほどのめり込んでいた。作詞者の海野啓一は、かれのペンネームである。ビクターの新譜案内には、「宝塚フアン、葦原フアン、必聴の豪華版!」と書かれている。男装の麗人として知られた、葦原邦子の人気にあやかったものだった。 ――近現代史研究者・辻田真佐憲氏によるテーマ別音源紹介「『商品』だった戦時下の時局歌謡」から一部を抜粋 (2019年11月13日掲載)

鞍馬天狗

鞍馬天狗
(今井泰男)

 

源義経の幼少期の伝承を題材にした謡曲。山伏に扮する鞍馬山の大天狗と、沙那王(義経の稚児名)の出会いが発端となる。沙那王と親しくなった大天狗は、彼の境遇に同情を覚え、正体を明かして兵法の秘伝を伝授する。伝授後、大天狗は別れを惜しむ沙那王に今後の守護を約束して去っていく、というのがこの謡曲のあらすじである。
この音源では、大天狗がある故事を語る場面が演じられている。沙那王と同じように、師匠の黄石公に忠を尽くして兵法の秘伝を伝授されたという、漢の張良の逸話だ。『謡曲集. 上』(底本は観世流改訂謡本)で、この場面を活字で読むこともできる。 (2019年10月16日掲載)

杉狂児

杉狂児

『ラグビー節』  歌:杉狂児
※国立国会図書館/歴史的音源配信参加館内公開音源※
 

2019年9月20日から11月2日にかけての約1か月半、日本で第9回ラグビーワールドカップが開催される。同大会がアジアで開催されるのは初めてのことだ。
今回紹介する音源は、あるラグビー部を舞台にした映画『母校の花形』(1937年)で用いられた曲である。映画の原作者で『嬉しい雛まつり』(国立国会図書館/歴史的音源配信参加館内公開音源)などで知られるサトウハチローが、別名義で作詞した。主演の杉狂児により、スクラム、オフサイド、トライなどのラグビー用語を織り交ぜた歌詞で歌われている。 (2019年9月13日掲載)

盆踊り

盆踊りの一例

『相馬盆唄』  唄:(初代)鈴木正夫
※インターネット公開音源※
 

福島県北東部の相馬地方に伝わる盆踊り唄。元々は秋田県で生まれた甚句(民謡の一種で、主に7・7・7・5の詞型を持つ)であったが、山形県を経由して相馬地方に伝わり、民謡として定着した。戦後になって民謡家の初代鈴木正夫が編曲してレコードに吹込んだものが人気を博し、全国にも普及した。以降、相馬地方だけでなく特有の盆踊り唄を持たない地域などでの盆踊りでも用いられ、親しまれている。
歴史的音源では、『マンボ相馬盆唄』(国立国会図書館/歴史的音源配信参加館内公開音源)など、異なる趣の『相馬盆唄』を楽しむこともできる。 (2019年8月14日掲載)

祇園の舞妓

祇園の舞妓

『祇園小唄(一)』  唄:藤本二三吉
※インターネット公開音源※
 

昭和初期の無声映画『祇園小唄 絵日傘』の主題歌として作られた小唄。作詞を手掛けたのは映画原作者の長田幹彦である。1~4番の歌詞のそれぞれで、京都の美しい四季の情景が唄われている。映画とレコードのタイアップという形式であったことから相乗的な宣伝効果も生まれ、映画・唄ともに大ヒットした。
『祇園小唄』の人気ぶりは、映画の舞台となった祇園においても同様であり、映画公開後には京舞井上流の四世井上八千代によって振付けがなされた。映画公開から約90年が経った今でもなお『祇園小唄』は唄い、踊り継がれ、代表的な京都の唄としての地位を築き上げている。 (2019年7月16日掲載)

ポーランドの民族衣装

ポーランドの民族衣装

『ポロネーズ(Polonaise)』  作曲:オギンスキー
※国立国会図書館/歴史的音源配信参加館内公開音源※
 

ポロネーズは、宮廷の儀式に取り入れられて発達した、ポーランド起源の舞踏及び舞曲。4分の3拍子を基本とした、中庸の速度で奏でられる曲である。18世紀末から20世紀にかけてポーランドが国としての形を失っている間、ポロネーズはポーランドの民族性を示すものとして愛好され、多く作られた。
中でも当音源のポロネーズは、1795年の第3次ポーランド分割の直前にオギンスキー(Michał Kleofas Ogiński, 1765-1833)によって作曲されたもの。1918年にポーランドが独立を宣言するまでの約120年間は元より、今日に至るまでポーランドの人々に愛されている楽曲である。 (2019年6月17日掲載)

信時潔

信時潔

 

天皇陛下のご即位に伴う改元で、「令和」の日々が始まった。新元号の典拠となったのは『万葉集』の梅花歌三十二首の題詞。出典が明らかになっているものとしては、日本の元号で初めて、和書を典拠とした例である。
今回紹介するのは、同じく『万葉集』に見られる、舒明天皇御製の歌を歌詞とした合唱曲。天香久山での国見(為政者が高所から国民の生活状態や国情を望み見ること)の際の御製歌であり、大和の国の素晴らしさが歌われている。作曲者の信時潔は、ほかにも『万葉集』中の歌を歌詞とした『混声合唱:子等を思ふ歌』を作曲している。 (2019年5月17日掲載)

ピアノの練習風景

ピアノの練習風景

 

19世紀前半に活躍したオーストリアのピアノ奏者、作曲家であるカール・チェルニー(ツェルニー)による作品。ピアノ演奏に必要な技術の高度化が進む時代に生きたチェルニーは、生涯で多くの練習曲を作曲した。彼の練習曲集は、曲数に応じて「チェルニー○○番」などの名称で知られ、現在に至るまで、教材として特にピアノ教育の現場で広く受容されている。日本でも、昭和20年代の時点で「今の音楽家でチェルニーの曲を手がけたことのない者はない。」と評された。
関連書籍:『大音楽家物語』(国立国会図書館/図書館送信参加館内公開) (2019年4月12日掲載)

平岡養一

平岡養一

『ルーマニア狂詩曲 第1番』  編曲・木琴:平岡養一
※国立国会図書館/歴史的音源配信参加館内公開音源※
 

平岡養一は、独学で木琴を学び、慶応義塾大学経済学部在学中1928(昭和3)年にデビュー。翌年、ポリドールで10枚のレコードを録音。その吹き込み料を持って1930(昭和5)年に単独渡米する。NBCと専属アーティストの契約を結び、10年9ヶ月毎朝ラジオの生放送で木琴を演奏し人気者となった。日米開戦で帰国を余儀なくされるも、日本では「超人的神業に全米はひれ伏した」と喧伝され、多くの演奏の場を与えられた。本作は「平岡養一帰朝第一回独奏会」(日比谷公会堂、1942(昭和17)年、12月20日)でも演奏された作品。アメリカで平岡の伴奏を務めたレオ・ロサートによって1940年に編曲された。 ――木琴奏者・通崎睦美氏によるテーマ別音源紹介「『木琴の時代』を聴く」から一部を抜粋 (2019年3月15日掲載)

野口政吉

野口政吉

 

このレコードは昭和3年の発売だが、この時期はラジオ放送の視聴者が全国的に激増し、謡曲の謡い方も東京の家元の謡い方に統一され始めた頃である。 囃子についても地方色が薄れ、東京の名人の演奏方法へ統一されてゆく過渡期にあった。 宝生流シテ方である野口政吉は、この音源の中ではやや声を痛めているが、後年にみられる難声ではなくシテ謡も明瞭であり、川崎利吉や幸悟朗の全盛期の気迫のこもった掛け声も素晴らしい。 現在の囃子の基礎となる歴史的名演の記録として貴重な音源である。 ――椙山女学園大学教授・飯塚恵理人氏によるテーマ別音源紹介「レコードによる謡曲の普及と東京一極集中へ」から一部を抜粋 (2019年2月5日掲載)

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